大網で米を作り始めて4年目。
その昔、大網には田んぼでお米を作るための十分な水がなかったそうです。山奥から用水を引き、どの家でもお米が食べれるようになったのは昭和になってからだとか。それ以来、集落周辺の林の中の平らなところも開墾して最大で30町歩(約30ha)あった大網の田んぼ。高齢化が進んでいる今は米を作る人が少なくなり、3~4町歩にまで減っしまっています。かつては棚田に沈む夕日がとてもきれいだったと大網のおじちゃんおばちゃんたちは言います。春には田んぼに水が張られ、夏には稲がぐんぐん育ち、秋には黄金色の稲穂が風にたなびく。その素晴らしい風景をなくしたくない。今ある田んぼを荒らさないよう、自分たちで作った美味しいお米がいつまでも食べられるよう、そしてここから発信することで一人でも多くの人にその風景の素晴らしさやお米づくりの楽しさ、それらを守ることの大切さが伝わるよう、私たちはこれからも毎年お米を作り続けます。大網での米づくりは4月に始まって9月までの約半年間の間に行います。4月〜5月中旬は苗代で苗を育てながら田起こしや代掻きをして田植えの準備をします。苗の成長具合を見ながら5月中旬に田植え。今年は仲間が大勢手伝いにきてくれたので、全て手植えでした。田植え後の主な仕事は水見と草取り。水は必要な時に十分あり、不要な時に入らないようにすることが大事。草取りは稲が病気にならないよう、栄養分を雑草に取られないようこまめに。8月には穂が出て花が咲き、9月中旬に稲刈りをします。刈り取ったお米ははざ(地方によって呼び方が違う)にかけて天日乾燥。脱穀と精米を経て美味しい新米の出来上がり!新米の美味しさは格別です。土鍋やガス釜などを使って強火で炊くと更に美味しくいただけると思います。